殺人にうってつけの日 ブライアン・フリーマントル

2006年にイギリスで刊行された最新作。残念ながらCクラスの評価。なんとか最後まで読んだが、読後感も不満足だ。
CIAの工作員とその妻、その妻の現在の夫元KGB工作員の物語。KGB工作員の下でCIA工作員が祖国を裏切っていたが、そのKGB工作員に裏切られてCIA工作員は捕まり投獄される。KGB工作員は、CIA工作員の夫に暴力を振るわれていたその妻を愛するようになり、母国ソ連を裏切り亡命し、その妻と結婚し、アメリカの証人保護プログラムにより名前を変えて生活をしている。
投獄後15年で出所できた元CIA工作員の復讐が始まる。追う者と追われる者との心理的な葛藤が描かれるが、どうも没頭できない。感情移入が中途半端になる。元CIA工作員は嫌なやつだが、元KGB一家にも感情移入できない。作者が敢えて両方の視点から描くからだ。
残念ながらお勧め出来ない。

殺人にうってつけの日 (新潮文庫)

殺人にうってつけの日 (新潮文庫)