「法令遵守」が日本を滅ぼす 郷原信郎

コンプライアンスとは単に法を守ること」と考える法令遵守原理主義が日本をおかしくするというのが本書の主張だ。日本は法治主義ではないとも主張する。
法令と実態の乖離がある状況で法令遵守を形式的に行うといろいろな問題を生じる。公共事業に係わる談合問題、ライブドア村上ファンド事件、耐震強度偽装事件などがその事例にあげられる。
公共事業において適正な価格で適正な施工を確保するという観点から談合問題を分析していく。それまでのやり方と時代が適合しない状況で問題が生じた。ライブドア事件も法令と実態の乖離がある状況で恣意的に検察が摘発した疑いを免れない。
法令と実態の乖離のある状況で検察の恣意的な摘発や企業の形式的な法令遵守が日本を滅ばすことに成りかねないと警鐘を鳴らす。

「法令遵守」が日本を滅ぼす (新潮新書)

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