たかじんのそんなこと言って委員会 ペットボトルのリサイクル

ペットボトルのリサイクルについて、意味がないという主張とリサイクルが経済的に成り立っているという主張を大学教授二人に戦わせていた。委員会のメンバーがどちらに言い分があるか判定しているが、議論の始まる前は半々の立場が、議論の後では一人を除きリサイクルが経済的に成立しているという主張に軍配をあげた。
議論はペットボトルがどれだけ回収されて、そのうちどの程度が実際にリサイクルされているかという点でデータが食い違いかみ合わない部分もあった。しかし、キロ35円でリサイクル業者が引き取っている。誰も要らないものに35円払ってリサイクルしないだろうという理論に騙され、リサイクル有用派に軍配が上がった。
でも、ペットボトルをそれだけ分別収集してリサイクル業者に引き渡すのにかかるコストが不明だ。社会的にリサイクルが有意義というためにはトータルコストを見る必要がある。分別収集に自治体等がかける費用が35円以上なら業者が35円で引き取るから経済的に成り立つとは言えない。
市場で成り立つという以上ボトル回収の段階からペイする必要がある。アルミ缶は値打ちがあるので、それだけをごみ出し場所から持ち去る業者がいる。ところが、ペットボトルについてはそういう話を聞かない。つまり、引き取り手の場所まで分別収集して持ち込んで漸くキロ35円で引き取られるということだ。
これで経済的に成り立つというのなら、海水から貴金属を抽出してもその貴金属に対して対価を貰うことができるだろう。誰もそんなことをしないのは、その貴金属の抽出にとんでもないコストがかかることを知っているからだ。
同じことがこのペットボトルの分別収集の話でも成り立つ。キロ35円で引き取って貰うためにかけたコストが無視されている。トータルとして経済的に成立しなければならない。環境保護の観点から経済的にいくら掛かっても良いという理屈もあるが、経済的成り立たない場合エネルギーコストも成り立っていない可能性が高い。地球環境を守る効果がない。

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

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環境経済学 (有斐閣アルマ)

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