サブプライムローンと格付け機関

全世界的な金融危機に陥っているが、あまり格付け機関の責任を問う声を聞かない。
10年前アルゼンチン債や中国のいわゆる国際投資公司債で痛い目に遭ったものとしては、今回も格付け機関に問題があったのではないかと考える。
当初は低金利で数年後には金利が上昇する貸し付けは、それも債務者の信用力の低い貸し付けは、住宅の値上がりを前提にする以外成立しない。そして住宅の値上がりが永久に続くわけがないのは、ネズミ講がいつかは破綻するのと同様だ。そういう債権を元にした証券化商品にどう格付けをしたのか。
金融技術に驕って、レバレッジを効かせて運用したいわゆる投資銀行は破綻して当然だ。ノーベル賞受賞者によるLTCMの破綻で金融工学の限界に気づいたのではなかったのか。
しかし格付け機関はうまく逃げている。とんでもない債券にトリプルAを付けていたのではないか。また、いわゆる「CDS」(クレジット・デフォルト・スワップ)を大量に発行していたといわれるAIGはトリプルAではなかったのか。
長期の観点で債券や会社を格付けしていたはずが、あっという間に投資不適に格下げになる。
かつて日本国債にとんでもない勝手格付けをしたのも格付け機関だ。