一九六〇年、青年と拳銃 片岡 義男

キャッチフレーズは、「21歳で早世した日活のスター、赤木圭一郎の主演作「拳銃無頼帳」シリーズを読み解く」とある。
拳銃無頼帳4作を本当に徹底的に著者の情念をこめて解説する。結末まで全て解説する。結末どころか映画の内容を説明するために、映画では物語られていない部分まで創作して補ってくれる。作品の解説は忠実でカメラアングルからなにからなにまで細かく描写してくれる。
しかし、1960年代に対する著者の思い入れが大きく反映され、正確な作品の紹介だが、著者の解釈がちりばめられるため娯楽映画の枠を超えた映画になってしまう。
第一作の「抜き射ちの竜」が「電光石化の男」「不敵に笑う男」「明日なき男」の4作品中最も評価が高い。
私は子供の頃これら日活アクション映画をTVで放送しているのを二人の姉が興奮しながら観ていた記憶が懐かしい。話の内容は記憶に無いが、藤村有弘の怪しげなセリフ回しだけ覚えていた。
今、これらの映画に吉永小百合や浅岡ルリ子が出演していたのを知り、改めてDVDで観た。昭和と日活映画の懐かしい雰囲気が面白いが著者ほどのめり込めない。

一九六〇年、青年と拳銃

一九六〇年、青年と拳銃