魔物 大沢 在昌

ロシアから来た魔物を麻薬取締官大塚とロシア人ホステスジャンナが追跡する。
魔物だから理屈の世界ではない。何でもありの世界だ。しかし、そこに何か理屈がないと魔物退治は不可能になってしまう。
大沢ワールドの炸裂だ。大沢の理屈に強引に引き込まれていく。
麻薬取締官大塚にはお約束の過去の出来事による傷跡があり、それが物語の進行と交差してくる。
相変わらずパワフルな筆致で最後まで楽しませてくれる。最後がどうなるかが気になって一気に読んでしまった。
魔物をどう退治するのか、なるほどこういう結末があるのかと失礼ながらさすがプロの手腕と感心しました。

魔物〈上〉

魔物〈上〉

魔物 下