トリプル・クロス ブライアン・フリーマントル

シリーズ第4作目だ。モスクワ民警組織犯罪局局長のダニーロフとFBI本部ロシア課長のカウリーのコンビがロシア、アメリカ、イタリアのマフィアを相手に活躍する。
上下2巻だが、上巻はいらいらするほどゆったりとしたペースで物語が進行する。そして下巻に入ると一気に物語が動き出す。ゆったりとして流れる大河がいつの間にか激流に変わり、大瀑布に雪崩落ちるような展開になる。
ダニーロフとカウリーのそれぞれが人間的な悩みを抱えて物語が進む。
フリーマントルの作品でなければ、上巻の途中で本を放り出していた。しかし、最後まで読むと上巻の動きもパズルのように全体の中にぴたっとはまりさすがだと思う。読後感も悪くない。
もちろんほかの作家ならA級の評価の作品だ。しかし、フリーマントルの作品のレベルは高いのでB級の評価になる。

トリプル・クロス〈上〉 (新潮文庫)

トリプル・クロス〈上〉 (新潮文庫)

トリプル・クロス〈下〉 (新潮文庫)

トリプル・クロス〈下〉 (新潮文庫)