隠し砦の三悪人 黒澤 明監督

スターウォーズのアイディアはこの映画を元に考えられたと監督のジョージ・ルーカス自らが話している。と言う解説を読んで、この映画を見ると成る程そうだと感じる。
合戦に紛れ込み一山当てようと出てきた百姓の太平と又七(スターウォーズC-3POR2-D2のモデル)が映画の冒頭から登場して物語が進んでいく。彼等は欲望をむき出しにするが、どこか滑稽な性格が雰囲気を盛り上げる。
全編手間と金を賭けた娯楽大作だ。エキストラの人数も凄い。次々と難題を繰り出してはらはらさせる。
さて、戦国時代、山名家に敗れた秋月家の武将・真壁六郎太は、雪姫を擁して、お家再興のための黄金と共に、隠し砦に潜んで友好藩早川藩へ脱出の機会を窺っている。ここに太平と又七が登場し、真壁六郎太は、二人の欲に付け入り黄金を背負わせ、雪姫の身を守りながら敵地山名領内を通って早川領へ抜ける計画をたてる。男まさりの雪姫の機嫌を損なわず、欲に駆られて逃亡も図る二人を脅しすかし、難関を突破して行く。
雪姫が良い演技をしているのでその後どんな俳優になったか調べた。文化女子短期大学在学中に『隠し砦の三悪人』で黒澤明監督にヒロイン役に大抜擢されて華々しくデビュー。きりりとした顔立ちと躍動感溢れる演技で人気を博し、一躍スターとなるが、本人は「私には才能がない」として僅か2年間で引退した。ということで誠に思い切り良く引退している。
脚本と役者がどちらも良くて最後まで楽しく見れる。ラストもなかなかよく出来ている。
スターウォーズはこの映画のパクリと思うが、ラストシーンに日本人とアメリカ人との性格の違いがよく出ている。スターウォーズのラスト(これがシリーズになるとは思わなかったが)は欧米の王朝物のラストシーンの典型だ。
配役
三船敏郎(真壁六郎太)
千秋実(太平)
藤原釜足(又七)
藤田進(田所兵衛)
志村喬(老将長倉和泉)
上原美佐(雪姫)

隠し砦の三悪人<普及版> [DVD]

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