新帝国主義論 武者陵司

長らく慎重な経済見通しが持ち味の著者が新帝国主義論で積極的な姿勢に転じた。
第一章新しい経済的現実、言葉を失う経済学では経済学者クルーグマンを徹底して批判する。
例えばアメリカの住宅バブルの破裂について2006年時点でクルーグマンの懸念を杞憂と一蹴している。
しかしこの8月の状況を看ると杞憂と言い切れない。各国中央銀行の積極的な資金供給で持ち直したかに見えるが予断を許さない。
経済の実態を後付けで説明するようになるとそろそろ危険信号だ思う。以前のニューエコノミーと同じような気がする。
現状肯定の理論化が始まると危ない事態になる。
冗談で強気でも弱気でも言い続けると何時か当たると言う話もある。
まだ、本書の第一章を読んだばかりなのでこれ以上の論評は控える。

新帝国主義論―この繁栄はいつまで続くか

新帝国主義論―この繁栄はいつまで続くか