涙の川を渉るとき 遠藤実自伝

日本経済新聞に連載された私の履歴書を加筆した自伝。巻末に遠藤実作品リストが掲載されているがその作曲の膨大さに驚かされれた。
遠藤実の人生を赤裸々に綴ったものだ。昭和も昭和30年代までは今では想像も出来ないほど日本は貧しかった。戦前に貧乏人の子供として生まれた遠藤実がどう人生を歩んだか。貧乏を乗り越えて作曲家として名を成した今、振り返る人生に怨みはなく貧乏時代もありのままに描かれている。
貧乏や多くの困難をどう乗り越えてきたか、人生の先輩として参考になり見習いたいと思う。10代から将来の展望もなく両親兄弟と家族一緒に精一杯生きていく苦労と比べると自分が恥ずかしくなる。最近いろいろあり本当に精神的に苦しい状況だが、この本を読むと勇気づけられる。
演歌は人生の応援歌だが、本書も人生の応援歌として感動した。一読の価値があると思う。
追伸 かつてのミノルフォン・レコードの社名は実の名から決めたものだ。

涙の川を渉るとき―遠藤実自伝

涙の川を渉るとき―遠藤実自伝