ホームズ二世のロシア秘録 2

最後まで読みました。読後感もなかなか良いです。この手の英国冒険小説の締めくくりはなかなか難しい。とんでもなく凝った結末の冒険小説もありますが、本書は正統派の結末でかつ余韻を残しています。
1913年を舞台にしていますが、1914年には第1次世界大戦が勃発します。これを契機としてロマノフ王朝は滅んでしまう。この制約の中でいかに面白い物語にするかです。
フリーマントルは上手に描いています。チャーリー・マフィンシリーズの皮肉や理屈を抜き、ロマンスを盛り込んでいます。情事も今回一番上手に描いています。そういうことはあまり描かないと思っていましたけれど、物語の自然な流れになれば本当に上手に描きます。
ロシア革命ロマノフ王朝の最後はいろいろ取り上げられていますが、映画では追想が好きです。イングリッド・バーグマンが良かった。

ホームズ二世のロシア秘録 (新潮文庫)

ホームズ二世のロシア秘録 (新潮文庫)