共産主義が見た夢 リチャード・パイプス

20歳前後搾取の無い平等な社会を実現する思想として共産主義に感染した。若く理想を信じるものとして希望を託した。
でも、経験を経て現実を認識すれば、共産主義思想の欺瞞に気がつく。本書「共産主義が見た夢」がすべてを語っている。スターリンの、毛沢東の国民の悲惨さ。もう現実を直視すべきと思う。
ところがあらゆる面で尊敬する先輩が、IT時代の今こそ計画経済が可能だとか、非武装中立が理想だとか、相変わらず主張するのを聞くのは悲しい。団塊の世代の中でもっとも知的で尊敬している先輩がこの種の話題になるとシーラカンスと化する。冗談か本気か思わず疑ってしまうが、どうも本気で主張している。マルクスレーニンの呪縛の虜としか思えない。

共産主義が見た夢 (クロノス選書)

共産主義が見た夢 (クロノス選書)