中国の歴史教科書問題 2
「狼の乳を飲んで育つ。」
中国の将来を心配する袁教授の憂国の思いが良く分かる。
「狼の乳を飲んで育つ。」という言葉の意味は大きい。義和団も文化大革命も時の権力者が民衆を自分勝手に操り、民衆がキリスト教徒売国奴等同胞にレッテルを張って私的に暴行略奪殺戮を行う。
上海の反日デモ・サッカー場の暴行等反日愛国を旗印にすれば何でも許される。これでは近代国家と言えない。
日中の長い交流の中で近代100年の歴史は日本の謝罪を要する。そうだからと言って反日なら暴力でもなんでも許され、それを当局が黙認する、利用する。これでは将来内政でも文化大革命のような混乱を呼ぶ時代を招きかねない。
この本の収穫は明治期以後の日中関係について今まで知らなかったことを教えられることだ。伊藤博文と李鴻章に親交があったことを始めて知った。欧米の帝国主義、植民地主義に日中両国で対峙する可能性もあった。それが不幸な歴史になった。
脱亜入欧の下欧米とともに帝国主義に走った日本も道を誤った。
- 作者: 袁偉時,武吉次朗
- 出版社/メーカー: 日本僑報社
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: 単行本
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (2件) を見る