鎖された海峡 逢坂 剛

イベリアの雷鳴からシリーズ第5作目になった。第二次世界大戦下のヨーロッパスペインを舞台にした情報戦の物語だ。
歴史上の事実、実在の人物と言う制約の中でストーリーを展開するのは難しいと思う。事件の裏側にこういうこともあったかも知れないという虚構の世界を築き、その中で楽しませるというのは本当に大変だと思う。第1作もフランコ総統の暗殺計画が軸だが、結果は歴史上はっきりしている。ジャッカルの日と同じだ。でも、裏話として充分楽しめる。
5作目になると歴史的な事実例えば連合軍ヨーロッパ反転攻勢の上陸地がどこかと言うテーマより、情報員北都昭平とヴァジニア・クレイトンの二人の行方が主題になっている。
500ページを一気に読んだが、この物語はどこまで続くのだろうか。それが気になる。

鎖された海峡

鎖された海峡