満州国演義3 群狼の舞 船戸与一

第3巻は昭和7年から物語が進む。前2巻は歴史を追うだけで小説として感情移入出来なかった。
しかし、やっと歴史の中で主人公敷島4兄弟が個性を持って行動を始めた。今回は物語の展開が気になり一気に読んだ。
長男は外交官、次男は馬賊、三男は軍人、四男は学生という敷島兄弟の運命が日中の歴史の中でどう展開するのか。
阿片をめぐる問題も重要なテーマとして提示されている。当時の中国の阿片問題は余り語られていないと思う。
次の巻が未発売だが待ち遠しい。

群狼の舞―満州国演義〈3〉

群狼の舞―満州国演義〈3〉