プラハの春 春江 一也

著者のデビュー作とのこと。最後まで一気呵成に読んだ。読書の楽しみは、ほかのことをしなければならないのに読むのを止められない時だ。出だしから引き込まれ最後まで飽きない。
若い時は歴史の必然とか資本主義の矛盾から必然的に社会主義そして共産社会に至る科学的な理論は魅力的だった。しかし、プラハの春に武力介入したソ連には当時幻滅した。どう言い訳しても納得が得られない。毛沢東文化大革命も馴染めなかった。そんな訳で学生時代はまさにノンポリで過ごした。
本書は、ブラハの春を描くと共に運命に翻弄される男女を実にうまく描いている。上海クライシスで指摘した焦点ぼけがなく、遙かに出来がよい。

プラハの春

プラハの春