意思の勝利 The intro of Triumph Des Willens (Triumph of the will)

ユーチューブでこの映像を見つけた。昔々テレビで見た記憶が有ったが、イントロは記憶の通りだった。雲の上をカメラが飛行機のスピードで移動し、やがて雲の晴れ間からニュルンベルクの街が見え、大空にヒトラーの乗る飛行機が映し出される。大衆の待ちかねる飛行場に降り立ち市街へのパレードが映し出される。沿道の大衆の歓喜の表情とヒトラーが上下のアングルで交互に紹介される。
1934年に行われたニュルンベルクでのナチス党大会の記録映画である。監督のレニ・リーフェンシュタールは当時33歳、これで成功しヒトラーの信頼をえて、ベルリンオリンピックの記録映画オリンピアの監督を任せられる。大戦後、ナチスとの関係を糾弾される。1970年代以降、アフリカのヌバ族を撮影した写真集で再起に成功する。戦前の映画作品も含めて再評価の動きがある。
戦後、敗者のナチスは犯罪者のレッテルを張られているが、スターリン毛沢東の自国民に対する行為を見ると、勝てば官軍と言う気がする。もちろんナチスを弁護する気はないが、勝者が全ての面で正義を主張するのは均衡を失している。21世紀になり勝者の一方的な歴史評価を正す必要がある。
プロパガンダ映画意思の勝利では当然ナチス党大会もヒトラーも立派に見える。国民を悲惨な結果に導くが、ヒトラーは大変なプレッシャーの下で国民を引っ張っていく。
国民的に人気のある強いリーダーの下に国を動かすと大きな危険がある。国会の所信表明演説だけで代表質問の前に突然辞任表明するような政治家が国を引っ張る方がまだ被害が小さいのかもしれない。

Triumph of the Will [DVD] [Import]

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