周恩来秘録 上 高 文謙

1976年1月に亡くなった周恩来総理の真実の姿を描くという秘録。
周恩来総理こそ中国民衆から最後まで信頼され慕われていたと思う。その周恩来は中国現代史の恥、毛沢東の恥である文化大革命の中でいかなる行動を採ったか。
産経新聞毛沢東秘録を読んでも感じるが文化大革命の非人間性だ。とことん政敵を精神的にも肉体的にも叩きのめす。周恩来文革の中でその採った行動を問われる。
文化大革命について思うのは、毛沢東は皇帝だということだ。誰も毛沢東に反対できない。文革中激しい闘争が繰り広げられるが、所詮宮廷内の権力争いで王朝を覆そうという動きは無い。劉少奇など老幹部は悲惨な弾圧を受ける。日本の政争と違い、生死を賭けた戦いだ。大躍進政策で国民を飢餓に追いやった責任があるにも拘わらず、誰も毛沢東を打倒できない。
文化大革命を日本ではマスコミが礼賛したのを覚えている。当時、学校でもちょっと頭のいい連中は紅衛兵に逆上せていた。まともに考えれば人民裁判でつるし上げることが人権上許されるわけが無い。日本国内で許されないことが、どうして中国で行うと素晴らしいことなのか。左翼の学者連中が文化大革命を持ち上げたが反省の弁を聞いたことがない。朝日ジャーナルを読んでいたが、どこか主張が可笑しいと思っていた。

周恩来秘録 上

周恩来秘録 上