東京23区物語 泉 麻人 主婦の友社

格差社会―何が問題なのか」に紹介されていたので読みました。
23区毎に鋭く特徴を捉えています。
買物篭をぶら下げた主婦の風貌も、東横線都立大学あたりとは異なり、どちらかと言うと「京成沿線の下町」の風情があります。”ドンクやサンジェルマンまがいのパン”よりも”グラム00円のシャケの切り身”が似合う俗っぽい活気がみなぎっています。云々。
著者はあらかじめ「はじめに」で、本書は、そのような23区の歴史を解説しつつ、そこに生活する人々の行動様式、そして彼らを収容する町々の姿を見つめていく、しごくまじめな社会学書です。若干深読みをする有識者には「誤解」ととれる描写も、いくつかあると思われます。と断りを入れていますが、もちろん誤解ととれる描写に満ちています。
惜しむらくは昭和60年初版でその後の東京が分かりません。
現在の東京を描いたこの手の本はないのでしょうか。

東京23区物語

東京23区物語

ありました。2001年版新・東京23区物語です。読まねば。

新・東京23区物語 (新潮文庫)

新・東京23区物語 (新潮文庫)